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米国世帯の50%はなぜウォルマートで買物をするのか?

ミネルバ・インサイト&ソリューションズでは、米国のグロッサリー買物客のオンライン調査を実施した。それによると、米国世帯の50%がウォルマートに買物に出かけているが、その顧客満足度は、競合となる多くのグロッサリー小売企業よりも大幅に低い。とりわけトレーダージョーズ、コストコ、アルディに大きく水をあけられている。
新鮮農産品が、店舗選択における最重要要件である。

本調査は、2018年5月末に全米規模で、世帯内で主要なグロッサリー購入をしている1000名以上の、人口構成に相応する割合で選ばれた対象者に対してにオンラインで行った。調査では以下の質問に答えてもらった。

最も頻繁に買物に行くグロッサリー店舗

店舗選択の要件

そのグロッサリー小売企業に対する満足度・不満足度

そのグロッサリー小売企業に対する満足度・不満足度

どのようなライフスタイルの商品、革新的商品、新商品を買いたいと思うか


自社の主要買物客のロイヤリティを維持するのは、「正しい企業価値観」、「新鮮な生鮮品」、「商品在庫」、「高品質&グルメ食品」、「店員サービス」、「毎日低価格」、そして「豊富な品揃え」である。一方、「オンライン発注、便利な引き取り」は(今のところ)店舗選択要件とはなっていない。

以下は当該オンライン調査の主な結果である。さらなる情報もしくは完全もしくはカスタマイズ調査結果を希望される場合は、info@isminerva.comに連絡されたい。


店舗選択の要件

オンライン調査 n=1005 米国の主要グロッサリー買物客。 回答された重要性:「あなたがグロッサリー店舗を選ぶ際に、以下の項目はどの程度重要ですか?」  類推される重要性: 主要店舗の全体的満足度と特定の店舗選択要件得点との比例度

「新鮮な生鮮品」、「毎日低価格」、「便利な立地」、「商品在庫」、「豊富な品揃え」が、最も重要な要件であるという回答であった。他にも重要な要素として「迅速な会計レジ」、「店員の親切さ、サービス」、「正しい企業の価値観」、「ストアブランド」、「販促」、「ヘルシー/オーガニックの品揃え」、「高品質&グルメ食品」が挙がっている。


主要店舗選択に対する全体的満足度と、店舗選択要件に対する満足度の統計的関係を見ることで、類推される重要性が導き出される。これを重要であると実際に回答された要件(上図参照)とを組み合わせると、以下の結論が導き出される。

  • 「便利な立地」は必要条件である。立地が良くなければ話にならない。ただし、立地が良いだけでは、店舗選択率が高まるわけではなく、ましてや顧客ロイヤリティを維持することはできない

  • 「新鮮な生鮮品」、「毎日低価格」、「商品在庫」、「豊富な品揃え」、「店員サービス」、「正しい企業の価値観」が、店舗選択および店舗へのロイヤリティを牽引する核となる

  • 店舗選択/ロイヤリティを牽引するためにすぐ可能な対策は、「迅速な会計レジ」、「高品質&グルメ食品」、「販促」、「ストアブランド」、「ヘルシー/オーガニック食品」、「革新的な新商品」の提供である。

  • 「ロイヤリティ・カードの特典」、「商品試食、店頭イベント」、「オンライン注文、便利な引き取り」、「店内の飲食コーナー」などは、あまり重要な要件ではない、あるいはまだ十分に展開されていない。


革新的商品、新商品

当該調査では、40種類のライフスタイル・テーマ、革新的商品、新商品シリーズがどの程度購入されているか、購入に関心があるかを調べた(過去1ヶ月以内に購入した:LM)、購入に関心がある(関心あり)。

オンライン調査 n=1005 米国の主要グロッサリー買物客:「過去30日以内に、以下の食品飲料のうち、1回以上購入したものはどれですか?(1ヶ月以内に購入した)」、「以下の食品飲料のうち、買ってみたいと思うものはどれですか?(関心あり)」
  • 調査からは、すでに十分に構築されているライフスタイル商品テーマが再確認される。例えば、「地元産商品」や、「準備済み、下ごしらえ済み料理」、健康/持続可能性にフォーカスした「オーガニック食品」などである。いずれも購入経験ありと関心ありとで40%から60%となっている。

  • これに続くのが、米国ではすでにその位置を確たるものにしている(購入経験ありと関心ありが40%以上)「ギリシャヨーグルト」、「フムス」、「フルーツ&ナッツバー」などの数商品である

  • さらにリストの下のほうを見ると、購入への関心レベルで明確に利点がある商品シリーズがいくつかある。「低糖食品」、「古代穀物食品」、「野菜チップス」、「野菜ベースのパスタ」、「スーパーフード」、「プロバイオティクス食品飲料」、「米形状のカリフラワー、ブロッコリ」、「欧州匠のパン」、「持続可能性水産物」、「ミールキット」、「コールドプレス果汁」である。

  • その他の革新的商品テーマとしては「肉無しバーガー」、「アイスランド・ヨーグルト」、「豚丼」、「オージー風ヨーグルト」、「竹水」などが可能性があるが、広く受容され物流が増えるにはまだ時間がかかると思われる。


第1、第2番目のグロッサリー店舗選択要件


当該ブログのタイトルが示すように、米国世帯の主要買物担当者の間では最も多く選ばれているのはウォルマートで、50%が過去30日以内に買物をしたと応えている。


最近買物に出かけた店のトップ10は以下となる。

  1. ウォルマート:50%が過去30日以内に買物した。17%が主要な、19%が2番目の買物先としている。

  2. ターゲット: 29%が 過去30日以内に買物した。2% が主要な、6%が2番目の買物先としている。

  3. クローガー・バナー: 26% 過去30日以内に買物した。13%が主要な、8%が2番目の買物先としている。

  4. コストコ:23%が過去30日以内に買物した。3%が主要な、7%が2番目の買物先としている。

  5. レーダージョーズ:23%が過去30日以内に買物した。4%が主要な、7%が2番目の買物先としている。

  6. アルディ:20%が過去30日以内に買物した。6%が主要な、4%が2番目の買物先としている。

  7. ホールフーズ:17%が過去30日以内に買物した。3%が主要な、4%が2番目の買物先としている。

  8. セーフウェー:14%が過去30日以内に買物した。4%が主要な、 4%が2番目の買物先としている。

  9. パブリクス:13%が過去30日以内に買物した。5%が主要な、4%がは2番目の買物先としている。

  10. アルバートソンズ:9%が過去30日以内に買物した。2%が主要な、2%がは2番目の買物先としている。

言うまでもなく、HEB、ウェグマンズ、マイヤー、アホールドなどの地域展開の店舗は、全米レベルでのトップランキングには入ってこない。


主要店舗選択肢に対する総合的満足度

視点を変えて、主要店舗として選ばれた店舗に対する総合的満足度を見ると、トップ10位が変わってくる(極めて満足%+非常に満足の上位2位までをランキング)。ウォルマートはトップ10位から外れ、ホールフーズ、ターゲットもトップ10位から姿を消す(後続の分析を参照)。

  1. トレーダージョーズ:93%

  2. コストコ:90%

  3. アルディ:85%

  4. パブリクス:83%

  5. HEB:79%

  6. ウェグマンズ:79%

  7. マイヤー:78%

  8. クローガー:71%

  9. ウィンコ:68%

  10. アルバートソンズ:66%

店舗選択要件別の上位店舗

同じ小売企業バナー名が各要件のトップ3位に繰り返し登場するが、これも驚くにはあたらないだろう。


改善点

全小売企業において、ほとんどの場合、回答者が即時に挙げた改善点は、「価格(20%)」、「品揃え(16%」、「会計レジ(7%)」、「商品在庫(7%)」である。


なぜ米国世帯の50%がウォルマートで買物をするのか?

ウォルマートは「毎日低価格」の項目ではトップ3に入っていない(トップ4である)。しかし米国民の間では、ウォルマートは常に極めて競争力のある価格を提供する、あるいは競合の価格とマッチングをするというのが共通の認識となっている。また、便利な立地にあることで、多くの人々が店舗の存在を知るところとなっている。言い換えれば、全米に店舗ネットワークが広がっており、同社のストアブランドや豊富な品揃えが認知されているということである。買物客が不満に思うところは会計レジ、欠品、店員の親切さ・サービスである。


小売企業別スコア抜粋

クローガーほど長期間利益を上げ続けた小売企業に物申すことは難しい。同社は、店舗選択要件の大半で平均以上のスコアを得ている。ロイヤリティカード・プログラム、ストアブランド、豊富な品揃えに関しては特に高得点である。ただし、「価格」については難点であると、4人に1人が応えている。次いで「品揃え」、さらに驚くことに「オーがニック」が改善点として挙げられている。

コストコは、「競争力ある価格」と「新鮮な生鮮品」で非常に高い得点を得ている。さらに、品揃えが限られていることによって常に「商品在庫」があり、「試食」も提供されてロイヤルな買物客に高く評価されている。意外なことは、同社のストアブランドである「カークランド(Kirkland)」があまり認知されていないことである(単一階層であるからか?理由は不明)。改善してほしい点として挙がっている声は、「品揃えー商品選択肢」、「商品のサイズ」、「商品在庫」、「会計レジ」である。


トレーダージョーズは、ユニークな買物体験をロイヤル顧客に提供する。「店員の親切さとサービス」、「毎日低価格」、「正しい企業価値観」、「ヘルシー/オーガニック商品」などが高得点である。改善点としては、「品揃え」、「農産品」、「近所」などで、さらに多くの店舗オープンが求められていることが分かる。


価格、価格、価格はホールフーズに唯一求められる点である。同店での買物客の半数以上が価格が難点であるとしている。店舗の総合的満足度においてもトップ10位入りを逃した大きな要素がこの価格である。アマゾンが買収したことでどこまでこの価格が下がるか、ホールフーズの独自の特性や強みを失わずにいられるか今後が待たれる。トレーダージョーズと並んで、ホールフーズは8つの店舗選択要件においてトップ3位にランクインしている唯一の企業である。とりわけ「ヘルシー/オーガニックの品揃え」が突出して評価されている。今後はそれをお手頃価格にすることが求められる。


最後に、ただし重要性が低いわけではなく、アルディは外せない。店舗選択要件の中でも最重要であると思われる要件「毎日低価格」をその出発点に据えている、非常に危険な企業である。あらゆる買物客に訴求するわけではないが、バタビアにある米国本社の近くにオープンした最新店舗は、より大型店舗を志向していることが明白である。つまり、より多くの品揃えで、種類も多く品質も優れた生鮮品を取り揃え、ストアブランドでライフスタイル・ソリューションを拡充している。これらはいずれも広範な買物客層に訴求する要素である。今後の進化・拡大においては、会計レジ、在庫などの改善が求められる。また、経費効率の良い運営を確実に維持することも必要であろう。


まとめ

アルディ、トレーダージョーズ、コストコ等の店舗業態は、米国の主要なグロッサリー買物客による店舗選択要件を満たしており、今後も店舗ネットワークを拡充し続けるだろう。地域グロッサリー小売企業は、パブリクス、ウェグマンズ、HEBなどに倣って、店舗選択要件において勝ることが必要となる。

ウォルマートとクローガーは、大きな店舗ネットワークと規模による恩恵を受けている。それにより、競争力ある価格と豊富な品揃えを提供可能となっている。彼らはまた、今後も進化し続けることが必要となる。一方では、限定的品揃え/ディスカウント業態からの競争に備え、他方では、プレミアムな地域小売企業との競争に備えなければならない。さらには、オンラインのグロッサリー買物客を奪おうとするもう一つの戦いが勃発する兆候があるが、本調査を見る限りでは、そこまではまだ進んでいないと言える。

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